ワキガはアラビア医学にもその治療法が記され、古来より人を悩ませていたようです。原因は、ワキのところに多数存在するアポクリン汗腺から分泌される汗の成分が、種々の細菌の作用により分解した結果生じるものと考えられています。アポクリン汗腺はワキ以外、ヘソ、肛門、陰部、乳輪、耳に分布しています。 このアポクリン汗腺は人種差・個人差が強く、黒人が最も発達していて白人がこれに続きます。現在はワキガも多汗症も比較的簡単に治療できるようになっています。
■解決法
ワキガ治療は腋の下の皮膚のすぐ下にあるのアポクリン腺を排除します。方法は大きくわけて2通りです。症状、目的など考慮し最適な方法を選びましょう。「せん除法(切開法)」はスタンダードな治療法で皮膚をめくって小さなハサミでアポクリン腺、皮脂腺を削るようにして取ります。手術時間がかかる事と、傷が大きい事、術後の安静期間が長いことがこれまでデメ リットとされていましたが、現在ではヘッドライトの使用や器具に工夫をすることで、傷は2cm程度に抑えられます。形成外科的な縫合をすると、時間が経てば傷はほとんど分からなくなります。術後は脇毛はパラパラとしか生えてきません。再発の可能性がほとんどないことがメリットです。傷跡が関係なく、効果だけあればよいと言うことですと、保険適応の切開法で十分ですが、傷跡をキレイにということですと自費診療になるクリニックが多いようです。
「吸引法」は管で皮膚の裏をこすり、落ちてきたアポクリン腺を電気掃除器の様に吸い取る方法です。費用も安く、安静期間が短いことがメリットですが、再発の可能性が高いので比較的症状が軽い方に適した方法のようです。
「超音波法」は血管や神経を温存しつつ、他の組織を分解吸引することができる超音波メスを使用します。わきの下に2cm程切開を入れ、このメスでアポクリン腺を選択分解吸引します。効果も煎除法と大差無く、術後の安静期間も切除法より短くて済みます。しかし、皮膚に火傷をきたす、傷が残ることがあるなどデメリットもあります。
ワキガ手術では仕事や学校は、手術日を含めて4日間は休みを取っておく必要があります。腕をよく動かす仕事の方は1週間ほどは休んだほうがいいでしょう。
■費用
せん除法は保険適応ですと4万円前後ですが美容に重点を置いた傷跡を小さくキレイにという手術ですと25〜40万円と高額になります。超音波法、吸引法は10万円〜15万円が主流のようです。